2021年3月のテーマ

スコットランド・島々のウイスキー

アイランズ・ウイスキー特集

3月はスコットランドの島々に位置する蒸溜所を特集します。200以上ある島々(アイランズ)から、代表的な蒸溜所のシングルモルトウイスキーをご紹介していきます。今回はウイスキーの聖地「アイラ島」のシングルモルトだけではなく、スコットランド南西に位置する島々にもスポットを当てていきたいと思います。それぞれの味わいの個性をぜひこの機会にお楽しみください。

お申し込み:2022年3月25日 23時59分まで

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「スコットランドの島々」

ウイスキーの本場、スコットランドには200以上の島が存在しています。特にスコットランド西岸に広範囲で広がる島嶼部(とうしょぶ)はヘブリディーズ諸島と呼ばれています。

ヘブリディーズ諸島も大きく内部と外部に区分されており、スコットランド本土に近い内部の島々をインナー・ヘブリディーズ、離れている島々をアウター・ヘブリディーズと呼称します。

ヘブリディーズ諸島ではスカイ島やアイラ島などを中心にスコットランド・ゲール語を話す方がおり、スコットランド本島やイングランドとは別の独特の文化を継承してきたことが分かります。今回はそのインナー・ヘブリディーズでも南西に位置する4つの島々に存在する蒸溜所を特集します。
どうしてもウイスキーの聖地として人気の高い、「アイラ島」のイメージが強いですが、マル島、ジュラ島、アラン島のそれぞれの蒸溜所の味わいを知ることで更にウイスキーの魅力に迫っていきましょう。

今回は南西岸の4つの島を特集

上から、マル島、ジュラ島、アイラ島、アラン島

マル島のトバモリー蒸溜所

トバモリー蒸溜所はスコットランドの西海岸にある、マル島(Isle of Mull)に位置しており、インナーヘブリディーズでは2番目に大きい島です。
マル島内でもっとも人口が多い村「トバモリー(Tobermory)」にこの蒸溜所が位置しています。

1798年ビール醸造所として設立された後、その後密造酒として蒸溜も始めました。しかしながら、実際にはほとんど稼働せず(1930~1972は休止)1975年に停止しています。その後、1993年にバーン・スチュアートが買収してから本格的にこの蒸溜所が稼働しましたので、この蒸溜所の品質の継続的な評価はこれからといったところだと思います。

2017年訪問時では、改修中で発酵槽4基、蒸溜器は初1基×再1基とスタンダードな蒸溜施設でしたが、今は拡張して初2×再2の蒸溜器を稼働させています。当時訪問して分かったことは、いかんせん蒸溜所を拡張するにも土地も空間も無く、これ以上規模拡大ができないのは何となく理解できました(屋内のポットスチルのラインアームも横に曲がっています)。

生産する原酒は2タイプ。ノンピートで非常にクリーンな「トバモリー」。そして、ヘビーピーテッドでスモーキーな「レダイグ」がシングルモルトとして発売されています。
ピーテッド麦芽は近くの島のアイラ島のポートエレン精麦所から。かつては6か月ずつの生産でしたが、現在はレダイグの方が少し生産量が多いそうです。現在のオーナーであるディスティル社になったことでより精力的に商品をリリースしている印象があり、様々なカスクフィニッシュや蒸溜所限定ウイスキーなど海外のウェブサイトでは見かけます。

最後に、マル島の西側にはアイオナ島という、スコットランドやイングランド北部にキリスト教を布教した伝説的な人物である、聖コロンバが設立したアイオナ修道院があって、マル島からのフェリーではないと渡航できないので夏には観光客でにぎわう島です。

ジュラ島のジュラ蒸溜所

ジュラ島はスコットランド本島とアイラ島の間に位置する島です。

ジュラは「鹿」を意味すると一般的に言われており、人口は160名程で鹿が約5000頭生息しており、圧倒的に多いことで知られています。
島の東海岸にグレイグハウスという集落があり、アイラ島のポートアスケイグからフェリーで渡航することができて、ジュラ蒸溜所もこの場所にあります。訪問については、5月~8月くらいは良いのですが、フェリーが決して大きくもなく防寒施設も微妙なので冬場の渡航はあまりお勧めしません。

また、島の北部にはかつて、近未来小説「1984」を執筆したジョージ・オーウェルの別荘があり、ここで執筆した。

ジュラ蒸溜所は1810年に設立。第一次世界大戦中は閉鎖などがあり、あまり稼働していなかったが、1963年より再業。
仕込み水は高台のマーケット湖の水を使用しているが、岩の上を基本的に流れているため、隣のアイラ島で容易に想像できるピート層を通過したあのスモーキーなフレーバーを子のウイスキーは感じることはない。
スモーキーさを表す、ジュラの大麦麦芽のフェノール値は2ppm。ポットスチルのラインアームはこれでもかと思うほど高く、このスペックだけで、なんとなく味わいの傾向は想像できると思います。

長年ホワイト&マッカイの主要原酒として生産されており、飲み比べると確かにジュラのフレーバーを感じることができる。
これからもこのブレンデッドウイスキーの屋台骨を支える原酒を作り続けていくことでしょう。

アイラ島のアードベッグ蒸溜所

ウイスキー好きであれば一度は訪れてみたい聖地「アイラ島」。
グラスゴーからプロペラ機、あるいはスコットランド本島からフェリー便も運航しています。中心地はボウモアでアイラ島のロッホ・インダールという入り江に位置しているが、そこからひたすら真っ直ぐ南下し、南岸の村、ポートエレンを経由すると南東に3つの蒸溜所(ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグ)が見えてくる。アードベッグはその最後の幹線道路沿いにある蒸溜所です。

アードベッグは1815年、島民のジョン・マクドゥーガルによって創業。1980年代のウイスキー不況時にはほとんど稼働しておらず、生産規模も少なかったのですが、現在はルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー社が所有しており、積極的な投資と商品を販売し、シングルモルトの人気と、その中でもピートウイスキーのブームにも後押しされアードベッグは人気シングルモルトの上位として君臨しています。

アラン島のアラン(ロッホランザ)蒸溜所

キンタイア半島とスコットランド本島の間にあるアラン島(Isle of Arran)。南北に長く伸びていることが特徴的で、地質学的な特徴を備えていることから「スコットランドのミニチュア」とも呼ばれています。
島の中心地はブロディックという村でここからフェリーで本島と繋がっています。

商業都市グラスゴーや本島に近い関係上かつては、50以上の蒸溜所が存在していましたが、1836年にラグ蒸溜所の閉鎖に伴い全ての蒸溜所が閉鎖になりました。
その後、1995年に北端のロッホランザ村にアラン蒸溜所が創業したことで、約160年ぶりにアラン島でのウイスキー生産が再業された。
現在、アラン蒸溜所と同資本会社であるラグ蒸溜所が2018年に南端に創業したことで、アラン蒸溜所はロッホランザと呼称されている。

ロッホランザは北部に聳えるゴートフェル山の湧き水を使用し、20ppm程のピート麦芽でウイスキーを製造している。蒸溜器は初×2,再×2を備えており、シェリー樽を中心に熟成、ノンチルフィルターでボトリングされています。

品質は年々高まってきており、アイランズのファーストチョイスとして「アラン」を指名する日本のモルトドリンカーも多く、人気のある蒸溜所だ。

詳しい説明はオフィシャルの動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8UWHQde49GI&t=3s

レダイグ 10年
~LEDAIG 10 years~

スペック:アルコール度数46.3%・容量700ml

レダイグはトバモリー蒸溜所で製造される、フェノール値35ppm程のピートを炊き込んだスモーキーなタイプのシングルモルトウイスキーとして知られています。

味わいの傾向としては、全面に訴えかけてくるようなオイリーさ、大麦麦芽の香ばしさ、そして薫香が残り続ける独特なフレーバーです。

レダイグはゲール語で「安全な港」を意味しており、設立当時の蒸溜所名前から名付けられました。スコットランド、アイランズを代表するスモーキーなウイスキーの一つです。

ジュラ 10年
~JURA 10years~

スペック:アルコール度数:40% 容量:700ml

海外と比較すると日本国内の流通が少ないブランドのため、少し残念ですが、定番の10年は間違いなくジュラの特徴を伝えてくれる1本でしょう。

決して軽すぎないボディ、パイナップルや蜂蜜、オレンジや干し柿のようなコクのあるフルーティーさが際立っており、アイランズのウイスキーの中でも飲みやすいタイプのシングルモルトウイスキーです。海外では様々なカスクフィニッシュの商品や長期熟成のアイテムもリリースされています。

熟成年数が増すことによって味わいの奥行きも広がっていきます。

アードベッグ ウィー ビースティー 5年
~ARDBEG WEE BEASTEE 5years~

スペック:アルコール度数47.4% 容量700ml

アードベッグの新しい、定番ラインナップ。
5年という熟成年数の若さを全面に押し出したのが、このウィー・ビースティー」です。
スコットランドの言葉で、「ウィーWEE」は「リトル LITTLE」「ビースティー BEASTEE」は「ビーストBEAST」、そうこの5年はスモーキーでパワフルな「リトルモンスター」です。

若々しいアイラモルトのピーティーさを楽しみにはもってこいの1本でしょう。最初に感じる野草のようなハーブさと独特の甘さ、その後に黒コショウと松脂のようなオイリーさを感じます。味わいにビターチョコレートや岩塩をまぶした肉塊をも彷彿とさせるでしょう。

アラン バレル・リザーブ
~ARRAN BARREL RESERVE~

スペック:アルコール度数 43% 容量 700ml

ファーストフィルのバーボン樽のみを使用し、7~8年間熟成させた、アランのスタンダード品。バーボン樽由来であるフレッシュ・レモンや青リンゴの香り。味わいはバニラ、シナモンでバランスが取れています。

使用する大麦はスコットランド産ノンピート麦芽を使用し、伝統的なオレゴンパイン製の発酵槽で発酵。ゆっくり時間をかけて発酵したもろみは、小型の2対4基の蒸溜器により丁寧に蒸溜され、エレガントで洗練されたシングルモルトを生み出します。

トバモリー 12年
~Tobermory 12years~

スペック:アルコール度数 46.3% 容量 700ml

トバモリー蒸溜所で生産されるノンピートタイプのシングルモルトがこの「トバモリー」です。

元々はトバモリー10年がリリースされていましたが正直なところ少しオイリーさとブリニ―(潮っぽさ)のバランスが取れていない印象でした。

2019年に新しくこの2年間再度熟成をさせた12年をオフィシャルにリリース、柑橘のニュアンスと麦芽の香りのバランス良いシングルモルトになりました。ぜひ、ピートタイプのレダイグと飲み比べて頂きたい1本です。

ジュラ 18年
~Jura 18years~

スペック:アルコール度数 42% 容量700ml

空港免税店向けのアイテムで日本では正規流通していません。

アメリカンホワイトオークで熟成されたのち、ワインのプレミエ・グラン・クリュのバリック樽で後熟されています。シナモンやプラム、ビターチョコレート、生姜、そしてメープルシロップなどの甘さを明確に感じて頂けることでしょう。

ジュラはピートタイプではなく酒質も重すぎないので、樽の影響が出やすく熟成品としての品質は高く、ご堪能頂ける1本です。

3月のウイスキーボックスお届け内容

* プラスプラン、アドバンスプランのみ
**アドバンスプランのみ

各サンプルは50mlです

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定額で毎月テーマに沿ったウイスキーボックスを送料無料でお手元にお届けします。いつでも入会・退会自由です。

スタンダードプラン

・毎月サンプルボトルを4本お届け
・初月にウイスキーノート&マップをお届け

3,980円/月(税込)

プラスプラン

・毎月サンプルボトルを5本お届け
・初月にウイスキーノートをお届け

5,500円/月(税込)

アドバンスプラン

・毎月サンプルボトルを6本お届け
・初月にウイスキーノートをお届け

6,500円/月(税込)

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