ジャパニーズ

本来ならばウイスキーのタイプではなく、産地別ウイスキーでのご紹介になるかと思います。ジャパニーズウイスキーとはその名の通り、日本で生産されるウイスキーの総称です。しかしながら、日本の法律においてこのジャパニーズウイスキーの「ウイスキーの定義」が諸外国と比べて緩いため、本当に「ジャパニーズウイスキー」とは何なのか?という議論が続いています。

混乱を招いている大きな理由は3つあります。

1つ目は日本法だと最低熟成年数の規則がないことです。
例えば、スコッチ・ウイスキーの場合は最低3年以上、バーボンが最低2年以上という、熟成期間を設けているのに対して、日本は熟成させなくてもウイスキーとして流通が可能となっています。これは日本のウイスキー製造という戦前から続いていた、熟成させないスピリッツを着色してウイスキーとして販売してきた背景があります。現在の市場が熟成している日本のウイスキー市場を考えると明らかに齟齬が起きています。

2つ目は原料の問題です。原料に対しても日本の酒税法は10%以上は穀物由来のウイスキー原料を使用していればウイスキーとしての要件を満たしてしまいます。こちらも例えば、スコッチウイスキーの場合、100%穀物由来のウイスキー原酒が義務付けられていますし、アメリカ合衆国のバーボンウイスキーの場合ではトウモロコシ由来の原酒を51%使用することが義務付けられています。戦後復興も含めて、歴史的に100%穀物由来の原酒を使用することができなかった背景がありますが、現在においても、ウォッカや米を蒸留した原酒を加えてウイスキーを名乗ることも可能です。実際アメリカでは日本語のラベルでライス・ウイスキーとして販売している企業もあります。

最後に、日本のウイスキーはラベルに産地表記する法的・行政的な規制がないのです。そのため、国内で蒸溜工程をしないで、海外の原酒を国内に輸入して瓶詰して発売したとしても「ジャパニーズウイスキー」表記して販売することが出来てしまい、実際にこれが海外でかなり横行しています。

今後についてですが、ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準は日本洋酒酒造組合が2021年に制定することで一定の基準が設けられますが、あくまで自主基準のため、国内の全てのメーカーがこれに順守する必要はありません。今後も上記のようなウイスキーが特に海外で需要がある限りは発売されていくでしょう。

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