ウイスキーの蒸溜所に赴き、そのクライマックスは煌びやかな銅製のポットスチル(単式蒸溜器)を見たときでしょう。その独特なシルエット、稼働していたらまさにスピリッツセイフから流れ出る液体に心を躍らせるはずです。その点グレーンウイスキーは極めて工場的であり、そもそも見学も許可されていないところがほとんどです。
しかしながら、アイルランドの物品税監査官でありダブリンで蒸溜所も保有していたイーニアス・コフィ―が1831年に特許(パテント)を申請した連続式蒸溜機によってウイスキーの歴史が大きく動いたことは無視できない事実です。
彼の名前を冠した「コフィ―・スチル」は日本のニッカウヰスキーが製造する「カフェ式(コフィ―・スチル)」のグレーンウイスキーとモルトウイスキーに引き継がれています。
【連続式蒸溜機】
連続蒸溜機もおおまかには発酵させる工程までは同じです。しかしながら、モルトウイスキーの原料が大麦麦芽であることに対して、グレーンウイスキーは「大麦麦芽」だけではなく、トウモロコシや小麦、ライ麦などの穀物を原料として発酵させ、連続式の蒸溜機で蒸溜します。非常に風味が軽やかで、癖がなくに仕上がります。
【グレーンウイスキーの特徴について】
グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーにおいて大きな役割を占めます。癖のなく軽い味わいはいわゆる「出汁」としてブレンダーから考えられています。出汁をベースにモルトウイスキーの多彩な味わいをブレンドしていく。その完成形がブレンデッドウイスキーで、モルトウイスキーだけであった荒々しく、濃厚な味わいから、洗練され、万人に受け入れられるその味わいは世界中にウイスキーを広める役割を担いました。
一般的なスタンダードのブレンデッドウイスキーは約60~70%がグレーンウイスキーが占めていると言われています。
【グレーンウイスキーの発売】
グレーンウイスキーは、ほとんどがブレンデッドウイスキー用の原酒ですが、時たま、グレーンウイスキー単体としてリリースされることがあり、日本はその代表的なエリアです。
シングルモルトウイスキーがあるように、シングルグレーンウイスキーも徐々に認知が高まってきています。
代表的な銘柄
・ニッカ カフェグレーン
1963年に「本物のおいしさ」を目指した竹鶴政孝氏によってニッカウヰスキー宮城狭蒸溜所内に設立しました。2012年に欧州市場で発売以降、多くのウイスキー通に評価されてきたブランドです。同連続式蒸溜機で製造した「ニッカ カフェモルト」も発売されています。
・サントリーウイスキー 知多
1982年に竣工されたサントリー知多蒸溜所はグレーンを専用で作る蒸溜所です。サントリーの主力品である角・響・オールドのグレーン原酒が製造されています。この蒸留所ではヘビー、ミディアム、クリーンの3種類の原酒をつくり分け、ホワイトオーク樽を中心にスパニッシュオークやワイン樽などで熟成したグレーン原酒を組み合わせています。
グレーンウイスキーは確かに大規模生産で生まれる原酒のため、あまり日の目を浴びないウイスキーのカテゴリーです。しかしながら、現代におけるウイスキー産業には欠かせないウイスキーとして屋台骨を支えています。
ダンバートン蒸溜所
1938年グラスゴーにて創業。バランタイン用のグレーンウイスキーを供給する原酒を製造した。当時の主流であったコフィ―スチルではなくアメリカのバーボンやアルコール製造用の連続式蒸溜器が英国で再世に導入された。2002年閉鎖。当時のグレーンウイスキー製造の大き
- Anh Vu
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